吃音とクラタリング
吃音とクラタリング
吃音とは:
音やことばを繰り返す、引き伸ばす、言おうとすることばがつまって出ない、ということにより、コミュニケーションに支障が生じたり、本人が辛く感じたりしている状態のことです。
クラタリングとは:
吃音と似ていて、ことばの繰り返しはありますが、過度の緊張感はみられず、早口で何を言っているか相手につたわりづらい状態のことです。本人は自覚することが難しく、当初は周囲だけが困っていることもあります。
吃音とクラタリングはよく似ていますが、異なる発話障害です。支援方法が異なりますので、吃音のお子さんを対象に教育や臨床活動をなさる方には、必ずクラタリングとの鑑別を行っていただきたいと考えます。鑑別診断のためのチェックリストの作成や適切な精査の手順について検討しているところです。
日本版クラタリングチェックリストはこちらからダウンロードできます。
吃音の支援で目的とされることの例:
・本人が吃音を意識しすぎないようにすること・過度の緊張感を取り除くこと・少しくらいは吃ってもいいと思えるようになること・吃音の発話症状を軽くすること・吃音を持ちながら楽しく暮らすこと・吃音を完全に治すこと
クラタリングの支援で目的とされることの例:
・本人が自分のことばの問題を理解すること・話している瞬間に「今、速い」と自覚できること・発話速度を低下させること・言いたいことが相手に伝わるように話すこと・語彙や文法の能力をアップさせること
これらは、吃音とクラタリングの支援目的の一部ですが、吃音の場合は発話症状から意識が離れていくことを目指し、クラタリングは逆に意識を促すことを目的としています。鑑別診断用チェックリストではスクリーニングは可能ですが、さらに詳しい評価が必要です。精査の方法については、宮本までお問い合わせ下さい。
チェックリストを実施した研究結果についてはこちらをご覧下さい。