自分の「気持ち」を知ろう(教材)by 中村勝則先生
ある時、中村先生が、この教材を持って、筑波大学に来てくださいました。
この教材は、「吃音」のあるお子さん(小学生)向けの教材です。
例によって全ての漢字にルビが振ってありますので、低学年のお子さんが使われるのでもOKです。
しかし、なぜ、「気持ち」を知ろうなのか?・・・と思いました。
1 番目の課題で、気持ちを表すいろいろな言葉について考えさせます。
2番目の課題は、こんな「気持ち」は、どんな顔かな?・・というものです。
例えば、「うれしい」の文字の下にあるのっぺらボーの顔(←ただの楕円形)の中に当てはまる表情の顔を、描いてみる、あるいは、切り取ってある型を置く、などして使うのでしょう(確か、先生は、表情の型を持ってきてくださった覚えがあります。でも、子どもに目や口などを描いてもらっても良さそうですね。)
初めは自閉症のあるお子さんのために先生は作ったのではないかと思ってしまいました・・・。なぜ表情の学習?と思って。
3番目の課題では、こんなとき、どんな「気持ち」という課題です。例えば、「おかあさんに、ほめられた→どんな「気持ち」?」という問題に答えていきます。
4番目でやっと、「あっ・あっ・あっりがとう」のようになってしまう、ちっちさんの「気持ち」を考える課題です。
・・・そうか、4番目をやるために、3番までの課題があるんだ、とやっと気づきました。
それに、お子さんたちは、わかっているようで、案外、自分の感情を自覚したり、客観的に認識するという機会がないのかもしれません。そこで、あえて、気持ちについての学習をする、というのは、吃音のあるお子さんが、嫌な思いをした時にもその気持ちを捕まえて、元気になるために、重要な学習であると改めて勉強になりました。
この教材は作者の中村先生の許可を得て公開しています。
(文責:宮本昌子)
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